特殊清掃とは？業務について

近年の超高齢化社会に伴い、単身高齢者が増えていることにより、誰にも看取られずに亡くなった方や不慮の事故や事件で亡くなる方もいます。

このような場合、遺品整理の前に特殊清掃を行う必要があります。

この記事では、特殊清掃を行っている弊社が特殊清掃の業務について、ご紹介いたします。

特殊清掃とは？

特殊清掃とは、1人暮らしの住人が孤独死や自殺、殺人事件、死亡事故といった死後、長時間を経過してから発見された現場において、原状回復を専門技術をもった業者が行う業務になります。

単身高齢者や独身の方が増えていることで、孤独死が比例し増加している傾向にあります。

遺品整理業者と混同されることが多いですが、提供するサービスや専門性、知識、スキルなどは異なり、全く異質の業種になります。

ただし、特殊清掃後に遺品整理を行うため、弊社のような遺品整理・特殊清掃専門業者といった、一式で請け負うことでご遺族の負担を軽減させる目的で行っている業者も多くいます。

特殊清掃の現場では、警察の遺体搬送後に立ち入り許可が出て初めて現場に入ることができます。

時期により腐敗の状況は変わりますが、血液や体液などによる汚れが付着しており、遺体の発見が遅れてしまった場合は腐敗臭や害虫が大量発生し、一般の方では立ち入れない状況になっていることが多くあります。

臭いや害虫被害は近隣の方にもおよび、異変を察知した近隣の方の通報により発見されることが多くあります。

ここまで聞くと、ハウスクリーニング業者が対応していると思う方もいらっしゃいますが、専門知識のない清掃では腐敗臭や汚れの除去、害虫の駆除は難しく、不動産屋や管理会社とのトラブルも多くあるようです。

特殊清掃業者は、専用の機器や薬剤、清掃技術を駆使し作業を行うので、ハウスクリーニングと比べると高額ですが専門業者に依頼することが、結果的にお得になるでしょう。

特殊清掃業者が必要な理由

お部屋の掃除といえハウスクリーニング業者ですが、特殊清掃における清掃はハウスクリーニングと異なります。

特殊清掃が必要な現場で最も重要な作業は、「腐敗臭の除去」になります。

体液によって腐敗臭が発生します。

体液の除去はハウスクリーニング業者でも行えますが、目に見えない臭いを除去することはできません。

臭気を完全消臭するには、専門的知識や技術が必要になり、ハウスクリーニングに技術とは異なります。

また故人様の室内が物で溢れかえっている場合やゴミ屋敷化している場合も、処分の知識が必要になります。

このような理由から、特殊清掃業者が必要になります。

特殊清掃の業務内容

特殊清掃の主な業務内容は次のようなものがあります。

いずれも過酷で感染症などの危険を伴う作業になります。

血液や体液の除去

壁や床に染みついた血液や体液を、特殊な薬剤やブラシなどを使い、できる限り取り除きます。

フローリングなどの取れない汚れは木材を張り替えるなどの修繕工事が必要になる場合もあります。

悪臭の原因の除去

特殊清掃の現場には悪臭が漂っています。

その臭いの元となっている部分を撤去する必要があります。

主な場所として、布団やベット、床、フローリングまで腐敗臭が染みついている場合があります。

害虫駆除

遺体は細菌が繁殖すると、夏場では１～2日、冬場は7～8日で腐敗が進みます。

腐敗した遺体から体液が流れ、悪臭を放ちます。

腐敗臭がハエやゴキブリを呼び、害虫の大量発生につながります。

悪臭の除去

特殊清掃の最も重要な作業として、特殊清掃専用で開発された消臭剤や除菌剤を使用し、悪臭を除去します。

仕上げとしてオゾン脱臭機を１～2日稼働させる場合もあります。

遺品整理作業

部屋に残された遺品の整理も行う場合があります。

要る物、不要な物と仕分け、リユース・リサイクル、処分する物と分別・収集・搬出作業を行います。

遺品のご供養

特殊清掃の現場には、神棚や位牌、人形、写真などと残されている場合が多くあります。

遺品には故人様の想いが込められており、僧侶などがご供養でお焚き上げを行ってくれます・

特殊清掃業者は、故人様のご冥福をお祈りつつご供養の手配も行います。

特殊清掃業者の選び方

ここでは、特殊清掃業者選びのポイントをご紹介いたします。

急な出来事により、慎重に選ぶことができずに高額な料金を請求されることもあるので、参考にしてください。

お問い合わせ時の対応

お電話・メールでの対応は作業と比例することが多いと思います。

丁寧に対応していただけるかチェックしましょう。

電話の際に、こちらの質問や疑問に関してしっかりと回答してくれる業者を選びましょう。

見積もり時の費用

全ての業者ではないですが、「実質見積もり無料」という業者もいます。

何かというと、「見積もりをし成約したら無料、不成約なら費用がかかります」といった内容です。

また、出張費として請求してくる業者もいますので事前に費用がかかるのか確認しましょう。

明確な内訳

業者によって得意不得意がありますので、料金は異なります。

そのため、見積書に明確な内訳と料金が記載されているのか、不明な部分がないか確認しましょう。

作業手順の説明

どのようにして作業を進め、どこで処理するのかなど明確に説明してくれる業者を選びましょう。

不明確で何をしてくれるのか分からない業者はやめましょう。

作業実績

特殊清掃について専門的な知識、経験が必要になり、一度として同じ現場はありません。

そのため現場に応じた対応が必要になり、作業実績が重要になります。

作業してもらったにもかかわらず、臭いが戻ってきたりやり直しが必要にあり、再度別業者に依頼するなどして費用が2倍かかってしまったりする場合もあります。

作業実績のある業者に依頼することで、トラブルを防ぐことができるでしょう。

まとめ

ここまで特殊清掃の業務内容や特殊清掃業者の選ぶポイントをご紹介してきましたが、参考になりましたか？

万が一に備えて、特殊清掃という業者がいるということ、専門知識や技術が必要な業務といったことだけでも覚えていただくだけで、緊急時の対応が変わってくると思います。

弊社ユーティリティーサービスは、一般社団法人事件現場特殊清掃センターに加盟している事務所になります。

特殊清掃士も在籍しておりますので、お困りの際はお気軽にご相談ください。